自分のジェンダーに悩む青年が“ハイヒールを履くまで”の物語『サタデーナイト・チャーチ-夢を歌う場所-』<山崎ナオコーラ映画連載>

山崎ナオコーラが映画をテーマに等身大でつづるエッセイ。第13回は、自分のジェンダーに悩む青年がトランスジェンダーの人々と出会い、自分が居るべき所を見いだしていく、ブロードウェイの若手俳優L・カイン主演のミュージカルヒューマンドラマ『サタデーナイト・チャーチ-夢を歌う場所-』(4月20日[月]よる7:30 WOWOWシネマ)を観る。 ■ 第13回『サタデーナイト・チャーチ-夢を歌う場所-』 5年ほど前、ほんの数回だけだが、教会の礼拝に出た。それは、流産と父の死が重なった頃のことで、喪失感にさいなまれ、何かしらの救いを求めて行ったのだった。 私はほぼ無宗教で生きていて、ときどき、それぞれの宗教の良さそうなところだけつまみ食いしている。正月は神社や寺を参り、旅先では教会やモスクを参拝する。 その中でも、キリスト教には馴染みがあるかもしれない。洗礼は受けていないが、小学生の頃、近所の教会でやっていた日曜礼拝に毎週通っていたので、聖書の話を結構知っており、主の祈りは暗唱できる。そして、14歳まで、寝る前にベッドの横でひざまずいてお祈りしていた。 14歳のある日、急に「神様はいない」という気分にな…